農泊は付加価値創造の機会
農林水産省は「農泊」を以下のように定義している。
「農泊」とは、農山漁村に宿泊し、滞在中に豊かな地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ「農山漁村滞在型旅行」のことと定義している。
また「農泊」の狙いは、古民家・ジビエ・棚田など農山漁村ならではの地域資源を活用した様々な観光コンテンツを提供し農山漁村への長時間の滞在と消費を促すことにより、農山漁村における「しごと」を作り出し、持続的な収益を確保して地域に雇用を生み出すとともに農山漁村への移住・定住も見据えた関係人口の創出の入り口とすること、としている。
これはまさに「二地域居住」のゲートウェイとなることが「農泊」の役割とも言え、「農泊」とは新しい地域未来戦略を実現する国家戦略でもある。
世間一般に「農泊」の字面から少々誤解されており「農泊って農家さんの家に泊まって、農業の手伝いをするのですよね?」との質問が多くある。
ここでイメージされる「農泊」は「農泊」に対する狭義の解釈であり、農林水産省の農泊の定義はより広く定義づけられており、一般的にイメージされる農家に泊まるホームステイ型はもちろん含むが、大前提とされる農山漁村に宿泊するのであればどのような宿泊スタイルでも該当する。
空き家や古民家をリノベーションした住宅に宿泊する、いわゆる民泊(ホームステイ型宿泊施設、一棟型宿泊施設を問わない)が、農泊らしいスタイルではあるが、宿泊施設としてはホテル、旅館でもよく、宿泊先のスタイルより大事なことは滞在中に地域資源を活用した食事や地域ならではの体験等を楽しむことである…
(百戦錬磨・上山康博)
(トラベルニュースat 2025年12月10日号)
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