日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」/23年春、大阪―別府に就航
日本初のLNG(液化天然ガス)燃料フェリーが3月3日、三菱重工業下関造船所で進水した。フェリーさんふらわあ(赤坂光次郎社長)が2023年春に大阪―別府航路に投入する新造船で、同日、大分県別府市の長野恭紘市長が「さんふらわあ くれない」と命名した。
くれないは全長199・9メートル、総トン数約1万7300トン。国内フェリー初となるLNGと重油それぞれを燃料として使用できる高性能Dual Fuelエンジンを搭載し、二酸化炭素の排出量を従来船より約25%削減、硫黄酸化物をほぼ排出しない環境性能を達成、環境負荷の低減を図る。
船内は「復活ときずな(KIZUNA)」という同船のテーマ通り、家族のつながり=きずなを再認識する場として長距離フェリー初の「コネクティングルーム」を設置し、3世代で楽しめる船旅を提供する。また、客室区画は定員一人当たり面積を拡大し、最上階8階の客室にはクルーズ船並みのバルコニー付きのスイートフロアを設置。大浴場とレストランを従来船より拡大したほか、3層吹き抜けのアトリウムをはじめとしたゆとりある開放的なパブリックスペースを設置するなど、同社が掲げるカジュアルクルーズコンセプトをさらに追求した。さらに、既存船に比べてトラックの積載台数を大幅に増やし、ドライバーズルームの拡充や定員一人あたりの面積を拡大。モーダルシフトへの対応も強化する。
船名の「くれない」は、大阪商船(現・商船三井)が1912年の阪神―別府航路の開設とともに投入した貨客船「紅丸」に由来、60年に就航した3代目・くれない丸は「瀬戸内の女王」と称された豪華客船だった。
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