関東へ“関西力”を示す時
関西に住む者にとって関東周辺の地理感覚は乏しい。白地図を手渡され、県名を書き込むといよいよ怪しくなる。我々でも心許ないが、一般消費者はなおさらだろう。観光客は県を意識して観光地に行くわけではないので、県の位置関係はどうでもいいのかもしれないが、それでもA県のB観光地に、というイメージ付けは各県にとって力を入れたいところだろう。
栃木県は昨年に大阪事務所を開設し、関西からの観光客誘致に力を入れ始めた。栃木県への関西からの観光客は5・6%を占めるに過ぎない。そこで「栃木県は関西人にとって未知の世界」とうたいアピールしている。その一つが旅行関係のライターや編集者を招待し、観光のみどころを見てもらう取り組みだ。しかし、大谷石記念館や日光、中禅寺湖、華厳の滝、那須高原などの名前は聞いたことがあっても、ほとんど見たことがないという関西の編集者が多いらしい。栃木県の関西客のシェアが低いのもうなずける。
新潟県も北陸新幹線金沢開業から毎年、関西の旅行会社を対象にした商談会を開き、関西からの誘客に注力している。これまで首都圏中心だったところが関西市場に乗り出してきている。関西客を増やそうとする各県の試みに受けて立ち、関西の旅行会社のパワーを示したい。
(トラベルニュースat 19年11月25日号)
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