道州制の再議論を提案
JATAとANTAが共同で、斎藤鉄夫国土交通大臣へ観光促進活動促進に向けた要望書を提出した。そのなかで約40の県で行っている県内宿泊キャンペーンに関して、県域を越えた隣接県エリアにまで範囲を広げるよう要望している。また、国内旅行においてもワクチン・検査パッケージを一層活用し、県境を越えた移動の促進を図ることを求めている。後日、日本観光振興協会が斉藤大臣に提出した「ワクチン接種の進展に伴う観光再起動に向けた緊急要望」でも、ワクチン・検査パッケージの活用による県民割の利用エリアの拡大を訴えている。
2つの要望書から、かつて隣接県の情報をまったく記載せず観光客の目線を無視し作成されていた観光マップを連想した。観光行動では意識していない県境がコロナ禍によって改めてクローズアップされたように思うが、どうだろう。
そこで思い出したのが道州制。少し前まで導入の議論を重ねられていたのに、とんと聞かなくなった。
道州制が実現していれば、今回の要望はまた違った論点になっていただろうし、現行の中央集権では感染拡大への迅速な判断や対処ができなかったこと、自治体の権限不足などの弱点も浮き彫りになった。
総選挙真っただ中。再度道州制が論点になってもいいのではないか。
(トラベルニュースat 21年10月25日号)
- 「バスの日」に思う(24/09/26)
- 高付加価値化とは―(24/09/10)
- 臨時情報下の同調圧力(24/08/28)
- 百年先を見る道後温泉(24/07/26)
- 宿泊税は地域のために(24/07/11)
- 危険な大手の仕事ぶり(24/06/25)
- 総会にチーム力を見る(24/06/12)