焚火で焼くサツマイモ
テレビの番組で、タレントの所ジョージさんと建築家の隈研吾さんが対談しているのを見た。面白い組み合わせだなと思って話を聞いていると、隈さんが得意とする「木組み」の工法は日本の技術の根幹にあるという。短く細い木を組み合わせることで長く太い材料として使える木組みは資源を無駄にしない工法だそうだ。隈さんは木組みについて「細いものでも強い力を発揮する、というのは人間社会のあり方のように感じます」と話していた。
所さんは現在、専門家と一緒に里山再生に取り組んでいて、里山を守るには薪拾いが大事であると伝えていた。「サツマイモは電子レンジでチンすればすぐに食べることができますが、枯れ葉や薪を集めた焚火で焼いたサツマイモの方は物語があります。焚火の煙で目が痛いとか、なぜ自分の方ばかりに煙がくるんだとか、いろんな話ができて面白い。レンジでチンでは物語が少な過ぎて面白くない」。
2人の話を聞いて、脆弱な我々の業界も「木組み」のように組み合わさって盤石な業界でありたいと思えたし、電子レンジのサツマイモはOTAで、焚火で焼くサツマイモはリアルエージェントと捉えられなくもない。これからの旅行業、観光業のあり方を示唆しているように見えないだろうか。
(トラベルニュースat 22年4月25日号)
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