「オール関西」で集客
先日、関西各地の旅行業に携わる十数人と長崎県・壱岐へモニターツアーに出かけた。山陽新幹線を使うと、いかに早く壱岐観光が楽しめるかを関西の旅行会社に周知することを狙ったものだったのだが、旅行会社の人たちの琴線に触れたのは別のところのようだった。
それは、高速艇が港に着くのを待ち歓迎の横断幕で出迎え、帰りもまた「またのお越しを待っております」との横断幕で見送った壱岐の人たち。参加者たちは「いろんなところへモニターツアーに行くが、こんな出迎えと見送りは初めてだ」と感激し「一人でもお客を送ろう、それも1府県ではなく、オール関西で」と異口同音に話していた。今、中小旅行会社は全国旅行支援の恩恵もあまり多くなく、得意とする地域の団体旅行も動かず、苦戦している状況下だ。そんななか「オール関西」で送客し、中小の力を示そうという気概は見ていて心地いいものだった。
コロナ禍以前、大阪と京都、兵庫の旅行業団体が一致団結し、旅館ホテルが驚くほどの送客実績を残したことがあった。まとまって集中送客をすることを得手としない中小旅行業だが、壱岐の人たちに意気を感じた旅行業者が集まり「オール関西」でという意識が拡大することは、これから必要不可欠な取り組みであるように感じるがいかがだろうか。
(トラベルニュースat 23年2月25日号)
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