民泊対応、地方へ波及 全旅連、各県理事長集め研修会(1) 観光庁が新法概要を説明
全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、多田計介会長=和倉温泉・美湾荘)は8月23、24日の2日間、民泊新法(住宅宿泊事業法)への対応で各県理事長・理事合同研修会を開いた。観光庁観光産業課の鈴木貴典課長が民泊新法の概要や、今後制定される政省令やガイドラインの方向性について説明したほか、各地域の実情に応じて営業地域や営業日を規制することが可能な条例づくりへの具体的な働きかけの方策やスケジュールについて「民泊新法行動ハンドブック」を示しながら、陳情や署名活動など地方での活動に協力を求めた。
営業日数短縮へ“闘い”
全旅連が各県理事長を招集して研修会を開くのは異例。多田会長は「44都道府県の理事長に参加をいただき、感謝しています。研修を民泊対応の地方への展開につなげたい」と話し、当面、民泊新法への対応を最重要課題に位置付ける方針に理解を求めた。
![全旅連](https://www.travelnews.co.jp/img/170922topnews1-1.jpg)
多田会長
研修会ではまず、観光庁産業観光課の鈴木課長が、民泊新法および政省令やガイドラインの論点や方向性について、関係省庁と都道府県との情報共有する仕組みを設けることを明らかにした。その上で、民泊可能住宅の要件および営業日数を確認する目的で、民泊事業者や管理者に対し2カ月に1度報告を求めていくこと、仲介事業者に掲載施設の適法性を確認させることなどについて説明した。
また、賃貸物件の場合に、民泊の届出書に転貸を認める書類を付けることや、宿泊者名簿の保存期間、消防設備の設置、標識掲示の義務化、民泊コールセンターの設置などについても方向性を示した。
全旅連で民泊問題を担当する大木正治副会長は、今後2週間以内に政省令やガイドラインが発表されるとの見通しを示したうえで「まずは、この2週間、ガイドラインに我々の主張が最大限反映されるようがんばる。そしてガイドライン制定後は、都道府県など地方の条例づくりがスタートします。地方の闘いで、民泊の営業日数を年間80日にも60日にも短縮させましょう」などと話した。
(トラベルニュースat 17年9月10日号)
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