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非日常が常態化した年 18年本紙紙面から「観光番付」(3) 新語?ガストロノミーも

「人手不足」と「生産性向上」 業界の課題、活路見出せ

大関は「人手不足」と「生産性向上」。観光業界の人手不足は特に旅館やバスなどで顕在化しているが、即効性のある対策は見出せていない。その中で、新たな在留資格制度が来春に導入される予定だ。本紙では全旅連が外国人の就労受け入れ対象としてベトナムに絞ることなどを報じた。人手不足と相関する生産性向上も最近の観光業界のキーワード。宿泊業団体が主催するセミナーなどに本紙も足繁く通った。

2019年のラグビーワールドカップ、20年の東京オリパラ、21年には関西でのワールドマスターズゲームズと続く。世界の耳目を集め、観戦客も大挙して訪日することは間違いない。暮れも迫って25年の万博も決まった。観光業界紙唯一、大阪本社の本紙としては負け癖がついた大阪復権のチャンスと意気込みたいところだが…さて。万博会場の夢洲にアジアクルーズのハブとなるターミナルができるといいな、と思う。

夢洲

2025年大阪万博のメーン会場となる夢洲。
今は太陽光発電のパネルが並ぶ

1面で相次ぐ天災でインバウンドが減少したと書いたが、実は前年割れは9月だけ。大阪ミナミも春先の異国感を再び発し始めている。

毎年のように新しいカタカナ語が登場し観光業界を席巻するが、今年は「ガストロノミー」が新語大賞。確かに、食を前面に打ち出したスタイルは日本に合う。

バスツアー=安かろう、悪かろう?はもう昔のこと。選択肢が増え、JTBもクラブツーリズムも神姫観光も、高速夜行バスでも高級車両の導入が進む。昨年番付入りした豪華観光列車の波はバスにも。移動を演出するのも旅の重要な要素。

三役をねらう前頭筆頭の「聖地巡礼」。アニメの舞台を訪れるオタクカルチャーに端を発したものだが、今や神社めぐり、朱印帳集めなどにも通じてすっかり市民権を得た。阪急交通社の旅行新語ランキングでも1位。「サイクルツーリズム」は2次交通問題を解消する救世主であり、時間消費を延長させもする。サイクリストにお金を使わせる一工夫は必要だが。

前頭では、来年1月7日から出国税(国際観光旅客税)が始まるなど税金の話題。今年は京都市で宿泊税の導入が決まり、来年は金沢市も予定している。消費税の10%も目前、駆け込み旅行需要…あるかしら? ワールドワイドイベントを控え、障がい者やLGBTなどの旅行についても議論が高まったのも今年。来訪神の世界記憶遺産は暮れのうれしい話題。

ところで、プレミアムフライデーは何処へ?

(トラベルニュースat 18年12月10日号)

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