中小旅行社の事業拡大支援 ANTAと全旅(3) 旅行ビジネスサポート、エントリーシステムも拡充
教育旅行の補償を全面サポート
ANTAが提供し、TBSが開発した全旅協新保険「学校旅行総合補償制度」は、重大事故や疾病、食中毒、新型コロナウイルス感染症などはもちろん、熱中症を補償対象としてカバーしているのも特徴。
学校にとっては名簿の提出や保険加入に関する手続きが不要で、旅行会社に一任できる上、旅行会社に対してはTBSがバックアップし省力化と効率化を実現した。ANTAが2018年から設けている重大事故支援特約も付加されており、事故対策本部の設置や事故情報収集、マスコミ対応費用、弁護士への法律相談費用なども完備。24時間コールセンターで対応する。
掛け金については、これまで学校旅行総合保険と旅行災害補償制度に加入していたケースに比べて1人あたり80円から100円程度と安価に設定、学校も利用しやすい価格とした。
一方、学校旅行キャンセル補償制度は、新型コロナウイルス感染症り患による旅行全部キャンセルをはじめ、生徒の親族が急逝したりインフルエンザなどで学級閉鎖といった旅行参加者都合によるキャンセルまで幅広く補償する。感染症の場合は、旅行開始前に1人でも対象期間に入院や通院した者がいれば、ほかの生徒や教職員も同行予約者として補償対象になる。生徒や教職員などが旅行会社に支払わなければならない取消料を全額100%補償し、コロナ禍により流動的な状況にあっても学校旅行の計画に安心感を与える。
掛け金も安価で、1万円の旅行代金で100円などとなっている。
TBSではさらに、各種保険・補償制度エントリーシステムの利便性を4月から大幅に拡充した。学校旅行総合補償と学校旅行キャンセル補償制度のほか、国内旅行キャンセル補償、旅行催行中止保険、航空機欠航補償、新幹線特急運休補償の6つを新たに搭載。従来の旅行災害補償や海外旅行補償制度、インバウンド旅行補償と併せて10種類がシステム上で申し込みできる。
加えてシステム利用によって、事前のファクス申し込みと掛け金振込に比べて手間や送金手数料が不要で、24時間いつでも加入・訂正ができ、掛け金は翌月に一括後払いとなる。システム上で旅行者あての加入証も発行できる。エントリーシステムはパソコンだけでなく、スマートフォンにも対応する。
今年4月からの新補償制度やシステム刷新にあたったTBSの内田哲弘部長は「コロナ禍でANTA会員の皆さんが苦労している中で、我々として何ができるかと取り組んできました。お客様に安心していただける商品であり、コスト削減にもつながるよう大手保険会社と鋭意交渉しラインナップを拡充させました。学校旅行総合補償制度はすでに毎日多数の問い合わせをいただいています。年間100万人の学校団体を取り扱うANTA会員の営業支援になれば」としている。
(トラベルニュースat 2022年4月10日号)
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