バス運転手になろう 東京の就活イベントに330人参加(1) 全国87社がバス事業の意義強調
人手不足に直面しているバス運転手にターゲットを絞った就職イベントが東京、大阪で相次いで開かれた。全国から多くのバス会社が出展したほか、国土交通省からも担当者が出席、バス事業の意義を訴えた。就職希望者も多数来場し、バス会社のブースで面談を行っていたほか、現役バス運転手や地方のバス会社による座談会などのセミナーに聴き入っていた。
人手不足解消へ
就職イベントは「どらなびEXPO2019秋」(主催・リッツMC=東京都港区)。10月26日に東京、11月9日に大阪で開かれた。このうち東京会場には就職希望者328人が来場した。
新宿のイベントルームで11—17時に開かれたイベントには東京空港、東急トランセ、西武バス、京成バスなど大手から地方のバス会社まで87社が参加。東京、神奈川、千葉、埼玉など会場近郊のバス会社にとどまらず、北海道から福岡まで全国に及んだ。特に地方のバス会社はUターン、Iターンも積極的に受け入れたいとする意向を強く打ち出していた。
バス会社はいずれも人手不足に直面している。規制緩和に伴い全国で車両数が増加しているなか、若者のバス運転手離れ、それに伴う高齢化、さらに全体の1%程度とされる女性ドライバーの少なさといった複合した人手不足に悩んでいる。
こうした現状を踏まえ、行政も、バス会社と就職希望者のマッチングを図る就活イベントを支援している。
東京会場にも国土交通省関東運輸局から担当者が出席し、セミナー会場では、バス事業の現状を説明したうえで、バス事業の意義や公益性を訴えていた。
路線バス、貸し切りバスの年間の輸送人員はピークからは半減しているものの、約42億人で下げ止まっている。このうち関東運輸局管内では年間20億人がバスを利用しているという。
特に印象的だったのは、数年来増えている自然災害時に、バスが果たしている役割が増していること。例えば、今年9月の台風15号では、不通になった鉄道の影響で成田空港に足止めされた利用者1万2千人のうち、3500人をバスがピストン輸送して脱出させている。
また、台風19号で中央線、中央道が不通になった時も、東京—山梨間をいち早く定期的につないだのは、う回路に東名道を使ったバスだった。バスが災害時に強い輸送インフラであることを証明した事例として紹介していた。
(トラベルニュースat 19年11月25日号)
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