今だからできること 観光業界“菌休対策”(1) 予祝新聞と手づくりマスク
「よ‐しゅく【予祝】 あらかじめ祝うこと。前祝い。」(広辞苑)。阪神タイガースの矢野燿大監督が昨シーズンの開幕前に「優勝おめでとうございます!」とあいさつして(一部で)予祝が話題になった。手前味噌だが、本紙今年1月1日号の社説でも「予祝を意識した1年に」と書いた。2号続けて新型コロナウイルス(COVID19)の話題で恐縮だが、2020年が始まって4カ月弱、予祝を意識したクライシス・マネジメントもあっていい。
“前向き”全開で笑顔に 埼玉県・名栗温泉大松閣
その予祝を実践したのが埼玉県・名栗温泉大松閣の女将、柏木由香さん。自身で「未来新聞」を作った。発行日は4月26日で「旅館へお帰りなさい」が見出し。「日本全国の旅館に大勢の観光客が戻ってきました」「コロナウイルス騒動が嘘のように、旅館業界は毎日ものすごく賑わっております」と書いた。
もう一つ、由香さんが実践しているのは、オリジナルマスクのおもてなし。手ぬぐいをマスクに改造し、お客さんを「面白いマスクですね!」と笑顔にさせている。由香さんは「顔は半分しか見えませんが笑顔は100倍。目と心であふれるものを大切にしたいです」「ないときはあるものを見つけるチャーンス。笑えない時こそ笑顔! 楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなっちゃいます!」と自身のブログに綴っている。
オリジナルマスクのおもてなしは、由香さんが会長を務める次世代の女将の会「虹会」のメンバーも実践。東北、関東の6旅館が、手づくりのオリジナルマスクで訪れた者を笑顔にする。
(トラベルニュースat 20年3月25日号)
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