コロナ禍こその使命感−動画を核に世界へ発信 和歌山県高野町・平野町長に聞く(1)
弘法大師空海が修行の場として開いた高野山真言宗の聖地高野山を中心とする和歌山県北東部のまち、高野町。世界に類例を見ない宗教都市として2019年には、欧米豪を中心に約11万人の訪日外国人観光客が町内に宿泊した。今年は一転、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、出入国制限で外国人観光客の姿はまったく見られなくなった。町の賑わいが消失し、腸内事業者も苦境におかれている状況下、高野町の平野嘉也町長が本紙のオンラインインタビューに応じ「町として一丸となってコロナ禍を乗り越える」と、世界の高野町の復活へ力強く宣言した(オンラインインタビューは8月に実施)。
―今の高野町の状況を教えてください。
2020年を目指してインバウンドを誘致しようと取り組んでいました。特に、高野山の映像を戦略的に流すことは、他に類を見ない新しいやり方だと自負していました。ただ、このコロナでゼロになったと言っていいぐらい人が来なくなりました。これは致し方ない。これから一から出直しです。たいへんなことですが、やりがいのあることだと捉えています。
―映像とはどんなものですか。
映画監督の大森一樹さんが監督を務め、バンディ石田さんを製作プロデューサーに2016年制作した「高野山JAPAN」です。今もこの動画を使って観光客誘致、情報発信をしています。次の一手もこの動画を使うことにしています。
―動画PRのきっかけを教えてください。
旅行博などいろんなイベントで、人を出してパンフレットを配るというやり方に疑問を感じていました。世界に発信できるようなテーマソングと動画で、見てほしい人たちにアピールしようと考えました。外国人が日本に行きたいと思って検索したときに、高野山を訪れていた外国人のインタビューが見られるようにしています。実際に訪れた人の感想ほど伝わるものはありませんから。
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