四国水族館と休暇村讃岐五色台 四国の魅力に「水景」あり
「うどん」だけにあらず―先般香川県へ行ってそう思った。海に囲まれている島国の四国。瀬戸内海や太平洋の雄大な海に加え、吉野川や「日本最後の清流」と言われている四万十川など川の自然も楽しめる。
それに気づかせてくれたのが四国水族館だ。香川県宇多津町に2020年6月にオープン。四国水景をテーマに四国の特徴的な水辺の景色を紹介しながら、地域の文化や歴史に思いをはせるような展示を目指している。
館内は生態系を尊重し、海の中を再現した水槽が並ぶ。大小多様な魚が泳ぎまわる大きな水槽から、目を凝らしてみて初めて生息する生物を確認できるものまで様々。水槽の横には水族館のスタッフの手書きの「黒板解説」があり、生き物の豆知識や雑学などが紹介しており、読み物としても面白い。
こうした展示の基本は「アート」で館内全体を美術館ととらえている。各水槽には「〇〇の景」と名付け、水中世界を描いた風景アートとして演出。館内壁面には迷路アート、屋外には江戸時代の本格的動物図鑑「衆鱗図」を描いた。海に面した広場には空中にせり出した屋外アート「UMI to SORA」があり、撮影スポットにもなっている。
そして壮大な絵画といえるのがイルカである。瀬戸内海を背景にした絶景プールではイルカのショーが楽しめる。海とイルカの飛び上がる演技が見事にマッチし、絵画のごとく美しい。
レストランやカフェもあり、見学だけにとどまらないのがこの水族館。食事メニューも水族館にちなんだ内容を開発。ベーコンポテトエッグに黒いカレーをかけてナマコに見立てた「黒ナマコのブラックカレー」(780円、税込み)、イルカの形をしたライスが特徴の「ドルフィンカレー」(990円、同)をはじめ、四国名物の「香川県産オリーブ牛ぶっかけ讃岐うどん」(1680円、同)など。
四国水景を学び、楽しみ、味わう。時間の経過を忘れてしまうほど、いろんな過ごし方がある。大きな水槽の前のベンチに腰掛け、水中の世界に入り込む。そんな来館者の姿を多く見かけた。
入館料は大人2600円、小中学生1400円。
四国の海や川の自然や文化に触れた後、四国水景を体感できる宿をご紹介しよう。
讃岐平野と瀬戸大橋が一望できる高台に立地するリゾートホテル「休暇村讃岐五色台」(坂出市)である。今年3、5月にリニューアルオープンし、モダンなリゾートホテルに生まれ変わった…
(井村日登美=ホテルジャーナリスト)
(トラベルニュースat 2025年8月25日号)
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