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万博を海から、ホテルから見る

大阪・関西万国博覧会が開幕して早くも2カ月。入場者数は累計で約800万人、入場券の販売枚数は約1200万枚といい、損益分岐点の1840万枚に、もう一息というところだ。入場者数も1日で16万人という日も出てきており、夏休みに入ると、さらにぐんと伸びてくるだろう。

先日、その万博会場を海から見るという機会に恵まれた。5月31日、大阪市の大阪港天保山で大阪府主催の「OSAKA SAILING EXPO 2025」があり、日本を代表する帆船「日本丸」や「BLUE OCEAN みらいへ」「Ami」、ヨット約50艇が夢洲西海岸をスタートし天保山へ向かうパレードを会場から観賞した。海のパレードは初めてで、観光船「咸臨丸」(うずしおクルーズ)から帆船を先頭に次々と船が続き、それを応援するかのようにヨット群が続く。その勇壮な光景はそうそう見られるものではない。

途中、万博会場を望む。開幕前に1度見たことがあるが、開幕後は人の息吹を感じる。よくよく見ると、大屋根リングの上に大勢の人がいるではないか。こちらの船を見て手を振っている。もちろん、こちらからも振り返した。

咸臨丸には一般参加者約300人が乗船し、海からのパレード、そして万博を楽しんだ。

パレード終了後、天保山岸壁では船内公開やステージイベントを開催。かき氷やピッツアなどの出店、キッチンカー、展示ブースが並び、記念グッズの購入や記念撮影に長い行列ができていた。日没後には帆船がライトアップされ、昼間とは違う姿を披露した。当日の来場者は家族連れや帆船ファンをはじめ、外国人観光客の姿も見られた。

同事業は宿泊税を活用した事例で、大阪観光の活性化に一役買った格好だ。ちなみに大阪港周辺には、民泊レベルや中小規模ホテル、昔の商業旅館などが多い宿泊料金は宿泊税課税ラインの7千円どころか、9月1日から改定になる5千円もしない格安の宿の集積エリアでもある。こうした街を知ってもらうのも、街の活性化につながるきっかけになるはず。さらに積極的に宿泊税活用事業を進めてほしい限り。

さて次は万博からだ。6月5日オーストリアパビリオンへ行った。ハイドン、ベートヴェン、モーツアルトなどクラシックの有名作曲家を輩出した音楽大国である。

それを象徴するのが、1階に配置した世界三大ピアノの一つ、ベーゼンドルファーのグランドピアノ「The Great Wave Off Kanagawa(神奈川沖浪裏)」だ…

(井村日登美=ホテルジャーナリスト)

(トラベルニュースat 2025年6月25日号)

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