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エーゲ海クルーズ 陸上観光に比べてリーズナブル

久しぶりにエーゲ海クルーズを楽しみました。エーゲ海は、地中海のもっとも東に位置する多島海です。北はギリシャ本土、南はギリシャ領クレタ島、東はトルコ本土に囲まれています。古代ミケーネ文明、アテナイ島の都市文明が発祥した海であり、ペルシャ、東ローマ帝国、ペルシャ、オスマン帝国なども、この海の周辺で繁栄しました。この紺碧の海に浮かぶ美しい島々、そして歴史のある沿岸地域を訪れるのがエーゲ海クルーズの魅力です。

今でこそカリブ海がクルーズのメッカとされていますが、一昔前まではエーゲ海の方が有名でした。アテネの外港であるピレウス港から、ギリシャ船主の運航する1万総トン前後までの小型クルーズ客船がたくさん出ていました。シーズンは、春のイースター明けから10月末くらいまで。冬場は海が荒れるため休業でした。

さて今回、乗船するクルーズを探してみると、ピレウス発着の船はほとんどありませんでした。あっても小型の高級船で価格も高くて家族連れには無理。そこでイタリア発着のエーゲ海クルーズを探してみると、北米船社が運航するベニス発着のクルーズが見つかりました。ただベニス発着とはいうものの、ベニスから列車で3時間ほどかかるラベンナ港の発着でした。実は、かつてピレウス発着のクルーズはギリシャ籍船の独占状態で、アメリカ生まれの大型船は発着港をイタリアの港に求め、その拠点の1つがベニスだったです。

しかし、大型船ラッシュとなったベニスはオーバーツーリズムへの反感が強まったため、発着船を10万トン以下に制限しました。今ではほとんどの船が10万トンを超えていたため、各社は発着を近隣の港にシフトさせました。

乗船したのは「エクスプローラー・オブ・ザ・シーズ」というロイヤル・カリビアンが運航する14万総トンの船でした…

(池田良穂=大阪府立大学名誉教授・客員教授)

(トラベルニュースat 2025年9月10日号)

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