京都らしさを残したい　京都市左京区／八千代旅館・中西裕子さん

栃木県・益子舘里山リゾートホテルの高橋美江様よりバトンをお受けいたしました、京都南禅寺畔にございます八千代旅館の中西裕子です。

私どもは京都の街々の東端、東山の麓、南禅寺の参道に面し、京都駅より車で15―30分くらいの南禅寺別荘群の片隅にございます。

建物は、周囲のほとんどの別荘と同じように大正５年に建てられており、１０７年を過ぎております。20―30年前は全館鉄筋コンクリートに建て直すよう、政府より何度も指導がありました。それで１９９５年に仕方なく半分を建て替え、中央部をコンクリートにし、本館部分を何とか残しました。

ところが外国の方々には古くても本館の方が喜ばれたのです。それでインバウンドに力を入れることになりました。そして、京都の旅館の中でもかなり早い時期にインターネットを取り入れ世界に発信し、今は年間通して８割以上が海外からのお客様です。

また、私どもは温泉ではなく沸かし湯ですが、大きな浴槽のある半露天風呂を本館７室のうち６室に設えました。コロナ禍の間も、この半露天付の部屋が好評で何とか持ちこたえられました。

京都について少し話させていただきます。京の街は１２００年もの間都があったところですから歴史的建造物・伝統産業・料理・文化・暮らし等々や知恵が数多く残っております。それが京都の街々を京都らしく日本的なものとして日本のそして世界中の方々に喜ばれているのでしょう…

（ＪＫＫ＝全旅連女性経営者の会リレーコラム）

（トラベルニュースat 2023年5月25日号）