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講釈師が語る一休さんの六 桔梗屋を棒切れでポカポカ

像外和尚の知り合いで、桔梗屋という問屋の旦那が頻繁に和尚と碁を打つ為に暇があってはお寺に来ておりましたから、小坊主たちは「あの桔梗屋の旦那はよく遊びに来て困る」「そうだ!あの人は一度碁を打ち始めると刻を忘れるからな」「おまけにその時は私達も起きてお世話をしなければならん。あの桔梗屋は昼寝をして夜通し碁を打ちに来るが、私達は昼間、座禅をしながら居眠りしようものなら、和尚様から鉄の如意で頭を打たれる。誠に困ったじいさんだ!」「なら私がなんとかしましょう」「おぉ周建ではないか。何か妙案があるのか?」「はい、あの桔梗屋さんの扮装を思い出してください」「確か、衣類の裏地に鹿の皮をあてごうた物を何時も身に付けており、自慢しておりますな」「はい、それです!まぁ私に任せてください」

するといつものように、桔梗屋が安国寺の門を潜ろうとすると、板に墨痕鮮やかに「この寺の中に皮の類堅く禁ずる もし皮の入る時には その身に必ず ばちがあたるべし」。

これを読んだ桔梗屋が「なるほど、小坊主達が夜通し碁を打つのを嫌がっておるんじゃな。確かにわしは獣の皮を身に付けておるが、まぁどんな罰が当たるんじゃろうな?」と…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2020年7月10日号)

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