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講釈師が語る一休さんの七 橋の箸を渡らず真ん中を歩く

桔梗屋が「うん、あの周建という小坊主は、只者ではない、よし何とかしてぎゃふんと言わしてやろう」。

数日後、桔梗屋が法事にかこつけて、安国寺の像外和尚に「周建をお供に願います」こう伝えたから、像外和尚も周建を連れていく。桔梗屋の屋敷の前は橋が架かっておりまして、ここを渡らなければ屋敷に入れない。さらに傍には立て札で「このはし わたるべからず」という文言。

像外和尚「うん?なんじゃ、あぁそうか、桔梗屋もとうとう気が狂うたか、ついでに引導を渡してやろう、しかしこの橋を渡るなとは一体どういう了見じゃ、さっぱり分らん、なぁ周建よ」ふっとみると周建は、諸手を振りながら、渡っておりますから「こらこら周建、渡ってはいかんと書いてあるぞ」「和尚様、これで良いのです」「しかし、このはしを渡るなと書いてある」「ええ。ですからこの橋の『真中』を渡れば宜しい。その立て札は仮名で書いてあります、これが漢字であれば渡ることはできませんが、仮名でありますから、橋の端を渡らずに、真中を渡ればいいんです」「なるほどそうか!」

桔梗屋の屋敷に来ると「周建さん、あの立て札が目にはいらなかったんですか? わたるなと書いてありました」「はい、あの橋の端は危ないようでしたから、真中を通ってきたんです」「なるほど」と、これから様々な問答をやり取りいたしますが、すべて周建が上回る。流石の桔梗屋も「大した小坊主じゃ」と感心も得心もいたします…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2020年9月10日号)

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