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講釈師が語る一休さんの二十 琵琶法師の調べで“悟り”得る

平清盛が太政大臣となり、平家一門が栄華を極めていた頃、白拍子の祇王、祇女という姉妹がいた(白拍子は水干袴という扮装で、今様を歌いながら舞を舞う遊女のこと)。二人は絶世の美人である、姉の祇王は平清盛の寵愛を受ける事によって、妹の祇女も持て囃されていた。

それから三年が過ぎた時、加賀の国から仏御前という十六歳のこれまた美しい白拍子が都へやって来た。清盛に舞を見てもらう事が念願で、清盛の屋敷へ押しかけたが、清盛は取り合わなかった。

そこへ祇王は「このまま帰すのは気の毒、どうか会ってやって下さい」と取次いだが為に清盛が仏御前の美しさにすっかり魅了されてしまい、祇王への寵愛が仏御前に奪われてしまった。世を儚んだ祇王は、母親と妹と共に嵯峨野の奥の山里に柴の庵を結び、三人揃って髪を下ろして篭ります。

一方祇王の栄華を横取りした結果になった、仏御前もその罪の恐ろしさを感じて、やがて己も同じ運命に陥るのではないかと憂い、此方も落飾して三人の庵へ参ります。仏御前はまだ十七歳であったが、己の罪業を詫び、祇王の許しを得て四人で住み。遂にはこの庵で往生したという。

一心不乱に琵琶法師が語る物語の中で、祇王が清盛の寵愛を失い、清盛の屋敷を立ち去る折、泣く泣く障子に一首の歌を書き付けた件で

「萌え出るも 枯るるも同じ 野辺の草 いずれか秋に あはではつべき」

と此の時に思わず母を思い出した宗純、かつて母も帝の寵愛を受けていたが、ひょんな事から、宮廷を追い出され、嵯峨野の荒屋で己を生み落した…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2021年12月10日号)

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