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講釈師が語る一休さんの二十九 お供に銭一貫…なんと385人

一休禅師は近郷近在の庄屋を呼び出し「よいな、貧乏人なら幾人でも構わんから、明後日の朝に早々、ワシが庵に集まるように、もっともそれは女子供の区別はない。参った者には銭一貫ずつ遣わすぞ」「え!ほんまで御座いますか?皆喜びます」と近郷近在の庄屋は村へ戻り、此のことを伝えれば村の貧しい者が喜んだ。

明後日の朝に一休禅師の庵には近郷近在の貧しい老若男女が三百五十八人も集まり「皆揃ったな。桃井若狭守の四条の館に出かけるのじゃ。一休のお供であると言えば、一人銭一貫頂戴できるから。給金は向こうでもらえるから。また念仏を唱えることにする。その音頭はワシが取ってやる。其れに合わして念仏を唱えよ。うん、見たところ女子供が多いから、駕籠を担ぐような屈強な者…お前さんとお前さんは儂が乗る、この駕籠を担いでくれんか」「一休禅師、これはまた時代物の重そうな駕籠でございますか?」「心配致すな。この駕籠は底が抜けておる。」「ほたら、どうしますので」「お前たちが担いだ駕籠の中を歩いて行く」「それは重くないわな」

今日だけは一休禅師も本格的に、紫の衣に金蘭の袈裟、払子を携えて、草履履きのまま、底が抜けた駕籠に入り、屈強な男達が二人駕籠を担ぎますと、一休禅師も立ち上がり、皆と一緒に歩き始めます。

駕籠の中で一休禅師が歩きながら、念仏を唱えると、三百五十八人が一斉に「南無阿弥陀仏」と一度に唱えるから、道行く者たちは一体何が起こったのかと用事を捨て置いて、見ればこの有様でございます…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2022年11月10日号)

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