楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

合理的配慮の義務化まであと一年

2016年に施行された「障害者差別解消法」が21年に改正され、合理的配慮は、民間事業者に向けての努力義務が法的義務化となることが可決し、公布から3年以内に施行されます。配慮でよかったものをなぜ義務化するのか? 配慮なのだから、思いやりを持てばいいじゃないか、一体何をすべきなのか迷うところです。

例えば、車いす利用者が旅先の宿泊先の前で困っているとします。玄関にスロープがなく、2段の階段があることで、中に入れない。階段がなければ困らないので、ここでのバリアは階段で、事業者側にはこの困りごとを取り除く必要があります。バリアを取り除くのは、障害者自身が努力や工夫すべきことではなく、事業者の義務であるということが分かります。

次に合理的配慮は誰の視点で考えるのかというと、事業者・障害者どちらか一方の要望や事情のみを考慮するものではなく、双方の建設的な対話から相互に理解・納得し、その手段や方法、代替手段を検討したものであり、「対話」を重要視しているのは、このような理由があるためです。

最後は、合理的配慮を提供しないことも差別にあたることをお伝えします。例えば、視覚障害者がフロントで滞在中の注意事項に関する情報を墨字の書類だけで渡されていたとしたらどうでしょう? この情報提供は、書類を読める人への対応であり、視覚障害者には情報提供していないことになります…

(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)

(トラベルニュースat 2023年3月10日号)

続きをご覧になりたい方は本紙をご購読ください
この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
海と生き海を守る三重鳥羽の旅

鳥羽市の基幹産業である漁業、観光業が連携を図り、漁業者と観光事業者が抱える課題を出し合って...

蒙古襲来750年・歴史とロマンを感じる長崎県壱岐・松浦

時は鎌倉、大陸から元が日本へ侵攻した一度目の蒙古襲来(元寇:文永の役)から今年で750年。...

個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ