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地方に人口を還流する観光を

元首相の暗殺という警告的かつ挑発的な事件は、真犯人の綿密な計画によってタイミングよく実行されたようです。今後3年間で改憲と増税に向かわせることにより、東アジアのパワーバランスに変化をもたらす計画の続きを私たちは数年後に見ることになるのでしょうか。

平和産業であるツーリズムにとってこれ以上の障害はありません。こうした中、弱者である私たちができる抵抗は、観光で経済を回し、平和を維持することだけです。

なぜ、世界環境が変化しているのか。その要因は末期症状の資本主義に起因します。経済成長を追求した結果、人口は都市に偏り、少子化と生産人口の減少につながりました。資本主義の生命線でもあった金利は下がり、資産価値が上昇しないために投資はすべて譲渡益を目的とした短期的なものに変わりました。そのために投資が一部都市に集中してオーバーツーリズムという現象も生みました。

権威主義にとって代わるのではなく資本主義を維持するためには、新たな発想で経済を活性化し続けることが必要です。しかし、それができていません。

例えば、新しい観光とは、これまでのような余った時間に余ったお金を使う余暇消費ではなく、様々な方法で地方に人口を還流していく地方創生を指します。観光の目的は、都市の外部不経済を内部化してくれる地方の存続と発展で、安全保障のための資源・食料・人材の自給率アップ策とも言い換えられます。それを都市生活者が自覚し、人口還流を実践すればよいのですが、できない要因は、ムダを増やせば価値の上がる時間給制度が労働のベースのままムダな時間が減り、給与が上がらないからです。給与とはもらうもので、働くのは億劫と思う人はおそらく皆、時間給制です…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2022年7月25日号)

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