リアルな救いの場づくりが役目
前回のこのコラムでは、27歳の教え子、菅澤真依が代打で登場しましたが、いかがでしたでしょうか。コロナのせいで、キャリアも偶然、人間関係のつながりも偶然が続き、強く生きた「すき間世代」です。その後、現在の15―25歳くらいの世代にあたる「Z世代」と言われる世代に変わります。この世代がコロナ前までの世代と違う、独自の世界観を持つ世代として、今や有名になりました。
この世代が大切にするのが「価値観」と「距離感」。この2つがぴったり合うつながりを探して日々オンラインとオフラインを行き来して生活しています。特に重要なのが、オンラインの世界。生活の過半数をオンライン上で過ごしていると言っても過言ではありません。
おそらく、このコラムをお読みの皆様世代の世界観は「キャリアは計画、つながりは偶然」だったと思うのです。自分のできること、やりたいことで職場をみつけ、職場や社会で偶然出会ったつながりで人生を築かれてきたと思います。
しかしZ世代は逆。「つながりは計画、キャリアは偶然」なのです。つまり価値観と距離感の合う人とはつながるけどそれ以外とはつながらない。キャリアはたまたまその時出会った価値観の合う企業に就職するというような感覚です。
つながりの典型が、マッチングアプリ(マチアプ)。コロナ前後から婚活の定番となり、今では結婚を前提としない恋人や、男女関係なく価値観の合う友人探しにも使われ、Z世代の6割が加入しているそうです。
つまり、価値観と距離感の合う人にリアル世界で出会うのはとても効率が悪く、オンラインで瞬間に出会いを決めていくのがあたり前になっています。そのため、学校や職場というのはあまり魅力のある場ではなくなりました。
しかし、米国では…
(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)
(トラベルニュースat 2025年10月25日号)
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