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夏休み旅行動向を読む 旅行しない4割に着目する

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の収束とともに世界各地で旅行需要が急速に回復しています。日本でも入国時の水際対策緩和後から一気にインバウンド市場が復活しました。一方で、新型コロナの位置付けが5月から「5類」へ移行した後も観光を目的とした海外旅行へ出掛ける日本人は、それほど増えていません。今年の夏休み期間(7月15日―8月31日)に海外旅行をする人は約120万人(JTB推計)で、コロナ禍前の2019年と比べると約4割程度です。

国内旅行に関しては、7250万人と2019年比で0・1%増となりコロナ禍前の水準に回復しています。調査会社インテージの調べでは、海外旅行で新型コロナに「不安がある」と回答した人が過半数を占めました。まだまだ海外旅行中の新型コロナ感染リスクに対する不安が払しょくされていないことや円安、物価高などで海外への旅行費用が高くなってしまったことで市場が国内旅行へ大きくシフトしたとも言えます。

しかも、昨年よりも長期間、長距離旅行の傾向が強くなっており、旅行消費額は26・4%増の2兆9千億円と大幅に増加、一人あたりの平均旅行費用は4万円(19年比で約1割増)もあります。国内では物価高が続き、日常生活が圧迫されている状況下ではありますが、コロナ禍で我慢していた旅行を思い切り楽しもうとする意向が海外旅行よりも国内旅行に強く向かっているようです。コロナ禍で大打撃を受け続けた観光・旅行業界からすれば、本格的な夏休みシーズンの到来で高まる国内旅行の需要を上手く取り込むことで業績を回復させたいのではないでしょうか…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2023年7月25日号)

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