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クルーズ客船の換気

新型コロナウイルス感染禍がなかなか収まらない。当初は、飛沫感染と間接接触感染が主と言われてきたが、「換気が大事」というフレーズが前面に出てきたこともあって、空気感染対策まで話題になるようになった。

筆者が事務局長を務める日本クルーズ&フェリー学会でもクルーズ客船の換気についての検討をすることとなり、専門家を招いた勉強会を実施した。クルーズ客船の中での患者の隔離、健常者への感染防止などの対策が可能かどうかという点が最大のポイントである。

一部マスコミでは「換気が悪いクルーズ客船」というフレーズから始まるコメントが続発して、いつのまにか「密閉された空気のよどんだ船内」というイメージができあがってしまった。

クルーズ客船内の換気は客室が1時間に8回、公室が1時間に10―15回行われているとの造船所からの報告があった。ここでの1回とは部屋の体積分の空気が完全に入れ替わるということを意味している。病院の一般病室の基準が1時間に6回以上なので、クルーズ客船ではかなりの換気が行われていることになる。新鮮な外部空気の取り入れも客室で30%、公室で50%が確保されており、これも病室の1時間あたり外気取り入れが2回以上という基準をクリア、一般的なビルの1・5―2倍の換気が行われていることが確認できた。

「密閉された空気のよどんだ船内」というイメージは、まさに風評被害そのものだった。早い段階で専門家が正しい情報の発信をすべきであったと反省する次第である…

(池田良穂=大阪経済法科大学客員教授)

(トラベルニュースat 2020年4月10日号)

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