“ブラック”と言われて
人材どころか人手さえ足りない観光業界。後継者がおらず廃業する旅行会社、客はあっても従業員がいないために休館する旅館ホテル。何とか人手を確保しようと、求人募集を何度も試みるものの、なかなか人が集まらない…。
ある旅行会社が今春卒業する新卒者の採用を働きかけようと学校を訪ねた。応対した就職活動の担当者は、旅行業界の“ブラック企業”の具体名を次々に挙げていき、挙句の果てには「旅行会社には絶対に就職させない」と断言されてしまった。旅行会社に対する信頼度がこれほど低いことに驚いたという。
それでも何とか話は続けられたらしいが、逆に「本校の学生が御社に入るとした場合、学生に聞かせる将来ビジョンを教えてほしい」と迫られ困惑し、生半可な気持ちで新卒者は雇えないと実感したそうだ。
本来、修学旅行などで添乗員と接し、学生にとって旅行会社は疎遠な存在ではないはず。修旅の添乗以来、当時の学生と今も付き合いが続いているという旅行会社社員に会ったこともある。この彼我の差は時代が変わったことだけが理由なのか。
社員が辞めないこと、他の会社から人を引き抜くよりプロパーを育てること。人を新たに雇うよりも、この2つが大事だと言われるが、読者諸兄の会社はどうだろうか?
(トラベルニュースat 18年2月25日号)
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