観光産業とSDGs
大阪で初めて開催された「ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)」は4日間で約15万人が訪れ、成功裡に終わった。TEJで掲げられた大きなテーマは「持続可能な発展のために、今こそ観光の役割を果たす!」で、会期中のフォーラムやセミナーでは我々が取り組むべき課題や将来に向けた議論が展開された。
その際、登壇者から異口同音に発せられていたのが「SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)」という言葉だった。SDGsは国連が2030年を目標達成年度に掲げ、持続可能な社会を実現するため環境や教育など17項目のゴールを示したものだ。17色で円形のSDGsのピンバッチを上着の襟につけていた参加者は少なくなかった。
我々が観光資源としている美しい景色、先祖から引き継いだ文化や遺産などを次世代に引き継いでいくことは、ツーリズム産業の持続可能な発展のためにも、いま我々に課せられた大きな責務。JATAの田川博己会長はそのことを「ツーリズムはあらゆるものを変える力と環境を守る力がある」としていた。
日本の観光業界でSDGsはまだ浸透していないかもしれないが、地球環境の変化に端を発する天災を毎年のように目の当たりにする今、SDGsの考えを頭の片隅において行動したい。
(トラベルニュースat 19年11月10日号)
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