いつか笑える日がくる
新型コロナウイルスの感染拡大が急速に広がり始めた3月10日号から4月10日号の3回、この欄を休載した。その間、刻々と事態は深刻化し、旅館ホテルや旅行業の動きが鈍くなっていくなかで、トップ面で「緊急提言」「菌休対策」などとして読者各位に少しでも元気をお届けできる紙面づくりを企図してきた。
政府の緊急事態宣言が発出され、外出自粛や県外移動自粛などによって、5月末まで休業する旅館ホテルや観光施設、客がゼロになる旅行会社など業界の悲惨さは増すばかり。踏ん張って営業している旅館に対して国賊のように罵声を浴びせる消費者もいれば、店を開けている旅行会社へ「なぜこんな非常時に営業しているんだ」と冷たい視線を送る消費者もいると聞く。やむを得ず大阪や東京から移動しただけでも、ウイルスに感染しているかのごとく扱われる場合があるとも。
どうにも居心地が悪い。確かに今は自粛第一でことに当たらなければならないのだが、憲兵や隣組から常時監視されているような錯覚に陥ってしまう気がしないでもない。
移動や人との交流が我々業界の最も得意とする分野が封じ込められているなか、「いつかあんな時代があったね」と笑いあえる時が来ることをともに信じて、今を踏ん張りましょう、耐えましょう。
(トラベルニュースat 20年4月25日号)
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