県民宿泊割を買い占め
JTBの夏休み期間中(7︱8月)の旅行見通しによると、国内旅行者数は4千万人で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年夏と比べ44・8%減になるという。
国内旅行消費額は1兆3200億円が見込まれるものの、19年比では50%減というから、相変わらず旅行業を取り巻く環境は厳しく、コロナ前より「支出を減らしたい」と考える人も全体の45%にも達する。
かといって今夏の旅行需要は絶望的かというとそうでもない。旅行に行きたいと答えた人のなかで「地域内の近距離が中心で、宿泊日数も3泊以内」が80%を超えるという結果が出ているからだ。これは見方によっては朗報ではないだろうか。
前回のこの欄でも書いたが、GoToトラベルのような広範囲な旅行ができない分、県内宿泊割でコンパクトな旅行を楽しめる仕組みがあると、地元旅行会社と県内旅館がタッグを組んで地域の魅力ある資源をアピールできる絶好のチャンスだからだ。
ただ残念なのは、行政がせっかく地元旅行会社を対象にした支援策を講じたのに、一部の旅行会社が県内宿泊割予算を買い占めてしまっているケースが出ていることだ。地域の旅行会社と旅館が結束して県民のための宿泊を支援しようとする動きに水を差すようでいただけない。
(トラベルニュースat 21年7月25日号)
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