動いてナンボが観光人
最近、仕事をモノにしている人の共通点を感じた。一つは「動き回っている人」。セールスや会合に足繁く通って情報を引き出し集め、自分自身を「買って」もらえるようにしている人のことだ。
ある旅行会社の社長は、顧客の求める宿や立ち寄り先へ自ら足を運び自身が納得できるまでやり取りを重ね、先方から「あんたの客なら必ず満足して帰ってもらえるようにする」と言わせてしまう。旅館案内所の営業マンは、旅行会社が持つ顧客を日ごろの営業活動で知り抜き、その嗜好や旅行時期に合わせてグループや団体を獲得する。別の旅行会社のセールスでは自らの施設をアピーは一切せず、その地域に設定されている旅行会社向け助成金一覧を置いていく。旅行会社曰く「情報をくれたのだから、その宿を使うことになりますよね」。バス会社の社長は、自社保有の車両一覧をファイルに入れ、旅行業の会合に出向きファイルを手渡し、出席した会合で必ず1件は成約につなげているというのだからすごい。
オンラインの時代でも、リアルにマメな人はモテる。既読スルーで頭を抱えるよりも、いろんなところに足を運び、せっせと顔を出し話す―。リアルなコミュニケーションの繰り返しが観光業の根本であり、観光の真髄であるように思う。
(トラベルニュースat 25年9月10日号)
- 地域をカイゼンする(25/08/29)
- 言霊で業界に寄与したい(25/07/28)
- ANTA新たな船出(25/07/14)
- 顧客満足を生む旅行業(25/06/25)
- 長嶋茂雄さんと全旅連(25/06/11)
- 電話対応こそチャンス(25/05/28)
- 現地と旅行会社を繋ぐ(25/05/14)