教えて改正旅行業法 観光庁が説明会(1) 「旅行サービス手配業」に質疑相次ぐ
来年1月に施行される改正旅行業法の説明会が全国10会場で行われた。このうち近畿ブロックは10月30日、近畿運輸局で開かれ会場一杯の200人あまりが参加し、活発な質疑が行われた。特に今改正で新設される「旅行サービス手配業」に対する質問が多く、関心の高さを伺わせた。
定義や登録、研修などに質問
説明会は、旅行業法の改正内容について観光庁担当者が説明した。本紙で既報(2017年8月25日号1面)した内容と大差はなかったが、旅行サービス手配業務取扱管理者の研修については来年以降、民間の研修機関に委託し実施されることが明らかになった。
会場で行われた旅行サービス手配業に関する主な質疑内容は次の通り。
―旅行業登録をしていても旅行サービス手配業の登録は必要なのか。また供託金は必要なのか。
旅行業登録をしていれば新たに旅行サービス手配業を取る必要はない。旅行業者は対消費者取引で前受金など事前にお金をいただき消費者に不利益が生じないよう設定している。旅行サービス手配業はBtoBの契約であり供託金制度は設けていない。
―旅行サービス手配業の定義を教えてほしい。
旅行サービス手配業が該当する行為は運送、宿泊、公的資格を持った通訳案内士以外の方、免税店の手配になる。
―旅行サービス手配業の研修はいつ、どこであるのか。研修を受講してから登録をするのか。
旅行サービス手配業については、施行後6カ月間は管理者の設置が猶予されている。明日(10月31日)以降、登録は可能。その際に、今後研修を受講するという宣誓書を登録行政庁に提出してもらうことになる。
研修については、一定の基準を満たした登録研修機関に手を挙げてもらうことを予定している。その機関が来年1月以降に順次開始することになる。研修料は機関によって任意の料金になる。旅行サービス手配業の登録を行った皆さんには観光庁から研修の案内を行う。
―信用を失墜させる行為としてキックバックについてどう考えているのか、海外旅行会社もこの法律は適用されるのか、書面の交付とは誰に行うのか、ランドオペレーターの営業所の定義を教えてほしい。
旅行サービス手配業の登録を取っていればキックバックは構わないが、無登録の場合は刑罰の対象になる。外国の旅行会社については、旅行業法は国内法であり、海外から直接申し込みがあった場合は対象とならない。書面の交付は、旅行客ではなく、旅行会社に対する書面と宿泊などの機関との書面になる。営業所は旅行サービス手配業に類する行為を行っているのであれば個人であってもすべて対象になる。
―登録の受付開始時期、登録料、更新は必要なのか。
受付開始時期、登録料は都道府県によって異なる。旅行サービス手配業の登録は都道府県庁の業務になる。受付は順次始まるが、登録日は新法施行後の1月4日以降になる。旅行サービス手配業の更新はない。一度取ればいい、ただ管理者は定期的に研修を受けていただく必要がある。
ちなみに、旅行会社が旅行サービス手配業を行う場合は、あくまでも旅行業なので旅行業務取扱管理者が必要になる。
―本社とは別に営業所を持っているが手配は一切していない。その場合も登録は必要なのか。
契約を行う営業所以外は必要ない。
(トラベルニュースat 17年11月10日号)
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