百年先の業界へ夢描く 全旅連・多田計介会長に2期目への抱負聞く(2) 外国人雇用や自然災害―課題対応し次代へ
人手不足の大波に対処
―先般の理事会で会長続投が承認されました。
多田 総会のご承認を待つ段階ですが、理事会で私に2期目の負託をいただいたのは、宿泊業界を取り巻く大きな潮流を、引き続き組織をとりまとめながら、しっかりと乗り切れという叱咤激励だと思っています。我々業界には人手不足という大波が押し寄せていて、これへの対処は2期目に課せられた課題だと認識しています。
外国人雇用に関して、昨春から全旅連としては初めて、国境を越えて具体的な行動を起こしました。そこで見えてきたのは、国際マーケットのなかでの人材獲得という熾烈な競争です。人材獲得のライバルは国内の他業種だけでなく、他国にも及んでいることを目の当たりにしています。
これに立ち向かうために、もう1度、皆さんのお力添えをいただきたい。一致団結して臨めば、この第二波を乗り越えられると確信しています。全旅連は組合員の利益と未来の輝かしい発展に寄与するために存在します。そのためにも、もう一度、心をひとつにしてこの難局を乗り切りたいと思っています。皆さんの力が必要です。
―ほかにも抱負があればお聞かせください。
多田 日本を襲う相次ぐ自然災害にどう向き合っていくかも課題です。組合が市町村や県と災害協定を締結することを推し進めたいと思っています。全旅連として、公的な支援も受けながら、災害時の要支援者を迅速に確実に受け入れる態勢を構築していきたい。
こうした足もとの課題を解決しつつ、2期目では「夢、百年。」というスローガンを掲げ、未来への指標を示したいと思っています。「夢、百年。」の意味は、社会とともに共存共栄しようという精神を次代につなげることでもあります。
時代が大きく変化するなか、短期的は課題への対処だけでなく、明確な業界の未来像を持つことで、組織もブレなく活動できると思うんです。百年先の宿泊業界の未来を信じ、夢を描き、目標に向かって突き進みたい。観光宿泊産業で全国に最大の組合員を有する全旅連が、目標に向かって進んでいくことが、観光産業が日本の基幹産業として持続可能な発展を続けることにつながると信じています。
(トラベルニュースat 19年5月25日号)
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