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ピンチをチャンスに 日本観光振興協会・久保田穣理事長に「ウィズコロナ下の観光」聞く(2) 新しい価値を創造

新しい旅のスタイル啓発と地域・産業の支援

−ウィズコロナで、安心・安全な観光に関心が高まるなか、宿泊、旅行、航空、クルーズと各業界が感染拡大防止のガイドラインを発表しています。観光復興のプロセスではどういった取り組みが必要でしょう。

各地域においても安心・安全に向けた取り組みが進んできており、例えば神奈川県観光協会では混雑情報の提供や、店舗などに対して「感染防止対策取組書」を発行する取り組み、佐渡観光交流機構では「佐渡クリーン認証」など、旅行者の安全・安心に向けて各地域で様々な取り組みがスタートしています。

協会としても、安心して旅行に出ていただくための各地域や企業での取り組み情報を一括して提供するウェブサイトや、動画の配信などに取り組んでいるところです。

また、観光業界全体では、当協会も加わり「旅行連絡会」という組織で「新しい旅のエチケット」を6月18日に発表し、啓発に努めているところです。

−Go Toトラベルキャンペーンの位置づけや期待、貴協会の役割について教えてください。

当協会としては、これまでにキャンペーンの早期実施を政府に対して要望してきた経緯もあり、非常に大きな期待を持っています。人間の営みに不可欠な観光を国民に半額で提供することで、需要も創出する優れた政策です。地域にしっかりとした経済効果がもたらされることを期待したいと思います。

当協会の役割としては、旅行が安心して行えるような情報発信や感染拡大を防ぎながら旅を楽しんでいただく新しい旅のスタイルの啓発に努めるとともに、地域と産業双方の会員から成り立つ組織として、地域の魅力の発信などを通じて、キャンペーンを双方の利益へとつなげる取り組みを行っていきたいと考えています。

日本観光振興協会・久保田穣理事長

観光産業だけではなく、様々な産業との連携による取り組みに
意欲を示した久保田理事長

−最後に観光立国推進協議会のとりまとめ役として、コロナを乗り切るための異業種間の連携の方法や、会員である各地の自治体や観光協会へのメッセージがあれば、教えてください。

「ニューノーマル」という言葉に代表されるように、ウィズコロナの世界では、新しい価値観に基づき、今までのいわゆる「観光産業」だけではなく、様々な産業との連携による新しい取り組みとそれによる価値創造が必要になってくるものと考えます。

当協会では旧日本観光協会と旧ツーリズム産業団体が合体してから10年目を迎えるにあたり、先ごろ協会の理念・役割・行動指針などを改めて整理したところでありますが、産業間のネットワークを構築し、新しい価値を創造するとともに、それを育んでいくということはまさに当協会の役割の一丁目一番地でもあります。今回のコロナ禍というピンチを業界全体として未来に向けてはばたくためのチャンスにつなげていけるよう、協会としても全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、ご支援とご協力のほどよろしくお願い申しあげます。

(トラベルニュースat 20年7月10日号)

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