母の姿で継ぐ決意―三世代で紡ぐ55年 国際旅行(兵庫・姫路)の事業承継
1970年に兵庫県姫路市で国際旅行を創業した門田善二さん(現会長)から、2003年に社長を引き継いだ基秀さん、そして次世代として基秀さんの長男の大輝さんが営業本部長、二男の将秀さんが営業と門田家三代で旅行業の事業承継が行われている。2025年の今年、創業55周年を迎える門田家三代がどのように事業を承継し、これからの旅行業とどのように向き合っていくのかを聞いた。
地域活動の世話役を引き受ける
―旅行業を始めたきっかけ、会社発足の経緯を教えてください。
善二 元々は新聞販売店でした。同時に、神戸市を拠点に旅行業を営んでいた国際ツーリストビューローの営業所も兼ねていて、新聞にツアー募集の挟み込みをしていました。ちょうど大阪万博が開催されていた1970年は高度成長期の真っ只中でしたので、これからは旅行業の時代だと判断し1970年12月、「国際」という名を国際ツーリストビューローから譲り受け、国際旅行(兵庫県知事登録第141号)を設立しました。
これまでの商売で培ってきた地元商工会や青年会議所などのつながりを生かし、地域密着型で顧客を増やしていきました。仕事は多忙でしたが、家族やスタッフに恵まれ、業績は順調に推移しました。
―会社を設立した6年後の1976年には、全国で初めて旅行業の協同組合として「兵庫県旅行業協同組合(兵旅協)」が発足しました。門田(善二)さんは立ち上げ時に理事に就任されていますね。
善二 当時の旅行業界で協同組合の設立は全国で例のないことでしたから、参考にする先行事例も資料もなく、大阪陸運局や兵庫県余暇課、兵庫県中小企業団体中央会の方々から多大な協力を得て設立にこぎつけました。1976年12月8日に無事、大阪陸運局に協同組合設立に伴う申請書を提出することができました。
基秀 父は兵旅協の理事長を5期10年、副理事長を2期4年、専務理事を5期10年、理事を7期14年務めています。私も現在5期目で9年、理事長を続けていますので、49年間の兵旅協の歴史の中で親子2代にわたって19年もの間、理事長職に就いていることになります。父の副理事長や専務理事、理事を務めた任期を入れると、当社は兵旅協とともに歩んできた歴史を持つということになります。
善二 確かにそうですね。兵旅協だけでなく商工会やPTAなど地域活動にも積極的に参加し、理事長や会長という役職もいただいていました。地域活動に積極的に関わることで、仕事の幅が広がり人脈形成につながっていくことにもなりました。地域活動が当社の礎であり、現在の当社につながっていったと言えるでしょうね。

国際旅行を設立した善二さん、2代目の基秀さん、
3代目にあたる大輝さんと将秀さん(右から)
―基秀さんは、どのような経緯で跡を継ごうと思われたのですか。
基秀 とにかく父は出張で家におらず、家族でご飯を食べることもほとんどなかったんです。そんな父に対して母は愚痴を一言もこぼすことはなかったので、子ども心に「お父さんの仕事は大変やから手伝わないと」という気持ちになっていました。母はつねに父を立てていましたから、母の姿勢からも自然と跡を継ごうという気になったように思います。
仕事が忙しいのに地元の世話役などを次々に引き受ける父を見たとき、もう少し役職を減らしたらいいのにと思っていましたが、今の自分も父と同じことをしています。確かに地元でお役に立てることをしていると人脈が広がり、仕事にもつながりが出てくると実感しています。
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