兆しを本物にしよう
関西エリアでは、従来の居住府県限定から隣接府県や圏域内でも利用できるブロック割が6月から本格的に解禁された。人口が密集する京阪神地区に範囲が拡大したことで「観光客が一気に動き出した」という声が聞こえ始めている。
関西で人気の温泉地などでは週末を中心に、旅館の予約が取れないところもあるという。旅行会社にも秋口から団体予約が入るようになってきたとも聞く。団体市場が得意な中小旅行会社、旅館案内所などの出番までもう少しの辛抱だ。
そんな最中、Go Toトラベルキャンペーンが7月から再開されるという報道があった。名称と中身は変わると伝えらている。仮に制度変更などにより現場、消費者が混乱をきたすと、ようやく明るい光が射してきた旅行市場に水を差しかねない。
ある観光業界団体の役員は「新しいGo Toトラベルが始まったとしても、国の予算からするとそう長くは続かないのではないか」と懸念、ブロック割に注力すべきではないかと説く。
救済されるはずの観光事業者が事務処理や客からの問い合わせに忙殺され、本業がなおざりにならないよう、業界団体の声として関係省庁にお伝えしておきたい。明るい兆しを真の夜明けとするためにも。
(トラベルニュースat 22年6月10日号)
- 「あまろっく」に思う(24/10/11)
- 「バスの日」に思う(24/09/26)
- 高付加価値化とは―(24/09/10)
- 臨時情報下の同調圧力(24/08/28)
- 百年先を見る道後温泉(24/07/26)
- 宿泊税は地域のために(24/07/11)
- 危険な大手の仕事ぶり(24/06/25)