訪日旅行復活を見据えて JNTOインバウンドフォーラム(1) 情報提供の重要性増す/香港
長引くコロナ禍で、国際間の往来はほぼ途絶えたままの状態が続いている。ワクチンパスポートによる緩和策なども俎上にのぼるが、こと日本のインバウンド市場においては、先行きは不透明なままだ。そうした中、日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)が9月14、15日の2日間、オンラインで「インバウンド旅行振興フォーラム」を開いた。2日間にわたってJNTOの海外事務所長らがコロナ禍における各市場の最新動向や渡航再開への取り組みなどを報告した。
渡航再開後の日本観光へ渇望
香港市場についてはJNTO香港事務所の薬丸裕所長が、台湾市場について日本台湾交流協会台北事務所の畠中環主任が報告、紹介した。コロナウイルス感染症拡大防止のため、両国とも厳しい水際対策や渡航制限が敷かれるなか、渡航再開後の日本への旅行意欲は高いようだ。
香港では高級日本料理店が人気で、客単価5−6万円の店が賑わっている。渡航再開後は日本で日本料理を食べたいという希望も多い。
日本の旅行関連情報も多く発信されている。香港の旅行雑誌では、今も日本の新しい観光施設が紹介され、訪日できないなか日本観光の特集紙面も増えている。グルメメディアでは日本食特集もあり、再開後の訪日意欲は高い。
日本への旅行再開時期については、高頻度のリピーターは渡航再開から3カ月以内に行くと答えている。旅館の温泉付き客室や、2020年以降にできた新しい宿泊施設に泊まりたいといった希望も聞かれる。今は訪日旅行者はいないが、海外への旅行情報提供の重要性は増している。
東京オリンピックで香港は6個のメダルを獲得し、大会に対してポジティブに盛り上がった。
香港はコロナとの共存、ウィズコロナでの渡航再開を認めない方針で、ウィズコロナの国・地域との往来再開は課題となりそう。計画されていたシンガポールとの「トラベルバブル」による往来も計画は止まっている。
コロナ前、日本−香港間には週432便が飛んでいたが、今は週8便しかない状況だ。

香港は各国・地域との往来再開が課題に
(イメージ)
(トラベルニュースat 21年9月25日号)
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