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リアル○刀流に活路 紙面から選ぶ2021年観光番付(4) 完敗の「おもてなし」五輪

それでもホテルとスタッフの財産に

 本来なら横綱に名を連ねるべき「東京オリンピック・パラリンピック」だけど、無観客開催では、さすがに横綱に推挙しにくかった。地方では東京オリンピックをどう見たんだろう。

 開催まですったもんだあったけど、普段目にすることのないマイナースポーツを熱中してテレビ観戦し面白かった。

 海外からの大会関係者や事前合宿、メディアを受け入れたホテルはたくさんあった。ただ、直前まで泊まりに来るのか分からない、何人来るのか分からないなど、連絡はめちゃくちゃだったそう。外出制限の監視を急にホテルスタッフに要請したりと、振り回された施設も多かった。一方で、オリンピック関係者を受け入れた経験はホテルとスタッフの財産になったと振り返る経営者もいた。

少し話は変わるけど、入国待機の宿泊利用については、オリンピック招致でアピールした「おもてなし」を考えさせられた。オリンピック関連の仕事で今年春に入国したイギリス人は隔離期間の14日間、ずっとお米の弁当だったそう。彼は奥さんがミャンマー人で米飯に慣れていたけど、お米に慣れていない同僚はかなりまいったらしい。10数平方メートルの客室から弁当を取りに行く時しか出られないし。昨年のクリスマスを挟んで友人がニュージーランドで14日間の隔離を体験したんだけど、ホテルの客室は30平方メートルほどで、食事は3食とも数種類から選べて、狭い駐車場スペースで散歩もできたそう。クリスマスはホテルのスタッフ、セキュリティ、看護師がサンタ帽を被って雰囲気を盛り上げ、ディナーは七面鳥だったそう。「おもてなし」の面では完敗だよね。

日本開催の次の大規模国際イベントとしては大阪・関西万博がある。東京が羨ましく感じるような万博にしてほしい。

(トラベルニュースat 21年12月10日号)

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