貸切バスとタクシーを連動 大阪バスグループ・西村信義社長に聞く(1)
全国にバス会社13社、タクシー会社5社のネットワークを持つ大阪バスグループ。1990年に小型バス3台からバス事業に乗り出し、30年を経て貸切バスの保有車両が約450台と国内最大の貸切観光バス事業者に躍進。現在は貸切バスだけではなく、高速バスや路線バスも運行し、2020年10月には旅館ホテルや食事施設を旅行会社へ手配する旅行サービス手配業の総合案内所「なにわ会」の運営にも関わるようになった大阪バス(本社・大阪府東大阪市)の西村信義社長に話を聞いた。
2つの“足”で価値提供
−大阪バスグループは全国にネットワークをお持ちですが近年、タクシー事業に力を入れておられます。その理由を教えてください。
6年ほど前、東京でタクシー会社を経営しないかとのお話をいただきました。800台を保有する会社でしたが、バス事業とは違って、タクシーに関してはまったくの素人ですので、お断りしました。
ただ、その話をいただいてからタクシー事業に興味が出てきました。いろいろと調べていますと福井の方でバス会社を買ってほしいという話があって買収しましたら、タクシーが40台ついてきて、それなら一度タクシー事業を体験してみようと思って始めたのがきっかけになりました。
興味を持って調べていたら偶然の出会いからタクシー事業に関わるようになりましたら、そのあとに福井県でもう1社買収することになり、そのあと京都、大阪、神戸と続き、現在は5社になっています。
和歌山や東京でも話がありますが、今から思えば最初に話があった東京進出が実現すれば、おもしろい展開になるなと思っています。これまでバス事業者として高速バスや路線バスを運行してきましたが、それぞれ停留所までの運行です。そこから先、停留場から自宅まで帰る足としてタクシーを活用することも一つの手段かなと。具体的なところまで考えてはいませんが、バスとタクシーを連動させると何か新たな事業が生まれる予感はしています。

バス、タクシーを保有していることを武器に
地域社会に貢献したいという西村社長
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