美味しい秋 料理プランは年間計画で
11月に入り、すっかりと秋めいてきめした。台風シーズンでもあり、各地の農産物の被害もさることながら、各ご家庭の生活環境も大きく変わってしまった地域もあり、心よりお見舞い申しあげます。
カニ、フグなども解禁となり、たくさん美味しいものがあり、行楽シーズンでもあるこの秋は、観光地も忙しく、目の前に迫ってきた年末年始に向けての集客への期待も高まっていることでしょう。
松茸、フグ、カニなど、好きなお客様が多い人気の食材は、その分仕入れ原価も高く、安価な宿泊料金のプランで使用すると、利益を出しにくいと思います。今はお客様側も情報をたくさん持ち合わせていますから、より旬のもの、国産のもの、名産地のものを、という希望も多いでしょう。
お客様に満足していただくには、宿泊料金を高く設定した別プランを作るか、多少その単品の原価率が上がっても別注で受けるかになると思います。
先日訪問したあるホテルでは、旬の食材もないのに、3カ月、6カ月先の献立の試食会をしていました。販売促進、企画・広告の作成などに時間がかかるので仕方がないことでもありますが、旬のものを無理に用意することで余計な原価もかかりますし、本来の味を引き出すのも難しくなります…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2019年11月10日号)
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