外的要因 料理が持つ力に向き合う
大阪・関西万博は、夜遅くまでイベントがあり賑わっていたように思われますが、近畿地方の温泉地まで足が延びずに終わってしまいました。
魚介類が美味しい季節になってきましたが、近年の物価高騰はカニの価格にも大きな影響を与えており、飲食店、特にカニを提供する店舗や料理人は深刻な問題に直面しています。
さらに業界全体の人手不足も相まって経営環境は厳しさを増しています。低賃金、厳しい労働環境、高い離職率といった構造的問題で人が集まらず定着しないため、人手不足が悪化。人間関係のトラブルが発生しやすい職場環境も敬遠される一因になっています。
若い人たちにはもっと仕事を覚える機会を与える方が良いのかもしれませんね。調理の専門学校を出ていても、実習での片付けなどは先生がやり、実際の現場では片付けができない子がほとんどです。学校の教育の仕方で変わってくるのではないでしょうか。パソコンだけで学ぶのではなく実技が大切です。過労、仕事がキツイとか言いながら、自分の休みはゲームや趣味などに長時間費やしているのは本末転倒だと言わざるを得ません。
ただ、現場も深刻です。日本料理をうたうホテルレストランでは、湯せんなどで温め直して出す料理ばかりになってきているようです。料理にも季節感がなく、暑さや涼しさなどに応じた献立もありません。目で楽しむ、季節感を味わえる料理の勉強が必要です。料理の技術や感性を磨くことなく。お客様の数だけをこなすことに終始していないでしょうか。
一方で…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2025年11月10日号)
- 働き場のあり方 従業員の芽をつぶすな(25/10/16)
- 新参入ホテルと和食 人手不足と人の育て方(25/09/17)
- 夕陽サミットに参加 職場を明るくする女将が地域のイメージも変える(25/07/16)
- 口コミと新入社員 好奇心や向上心を養おう(25/06/13)
- 万博と働き方 現場の意見を取り入れ改善(25/05/15)
- 強みを生かす 業務命令から理解へ(25/04/16)
- 五感で愉しむために 会話で満足度をあげる(25/03/13)












