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講釈師が語る一休さんの二十七 蓮如上人と往来の真ん中で問答

一休禅師がさらさらと認めたのが「親死んで 子死んで 孫死んで」「どうじゃ目出度いやろう」「どこが目出とうございますねん。死ぬという文字が三つもありますがな」「いや、これは誠に目出度い。これが逆さになって見ろ、これほど不幸な話はない、親が死んで、子が死んで、孫が死んでいく。この順番がもっとも目出度いのじゃ」「正月で御座います。門松という縁起物もあるので、そんな縁起の悪い。歌は困りますがな」

「よし、ならばその歌も詠んでやろう」さらさらと認めたのが「門松は 冥途の旅の 一里塚 目出度くもあり 目出度くも無し」。

「どうじゃ世の中に死ぬるほど目出度いことはない」。懐からずっと取り出したのが、しゃれこうべをずっと差し出しておいて「朝の紅顔、夕べの白骨、こうなったのが一番目出度いのじゃ。つまり皆同じである」と一休禅師は言いたいことを言うて、そのまま店からぷいっと出て行ってしまいます。

そこへ向こうから行列美しくお供を連れてやって参りましたのが、本願寺の八代目の蓮如上人、当時有名なる博識の僧侶で、此れをご覧になった一休禅師は「おぉ、あれは本願寺の蓮如上人じゃな。噂には頭が良いと聞いておる、よおし、ここで会ったが幸いに一つ試してやろう」と乗り物へつかつかと立ち寄って「これこれ、蓮如や。ワシは一休じゃ。ちと話がある」。

と言われてさしもの蓮如上人も乗り物を止めて「まさか斯様な所で、一休禅師と往来の真ん中で問答を仕掛けられるとちと迷惑であるが、相手が相手であるから致し方があるまい。これはこれは一休禅師何か御用で」「ほかでもない蓮如。『袈裟衣 有難くと 見ゆれども 之も俗家の 他力本願』どうじゃな」…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2022年9月10日号)

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