日本料理の国際化−人、国を料理でつなぐ
人手不足・経費削減の策として、先日もトイレットペーパーの使い方など書かせていただきましたが、アメリカに出向させていただいたときには改めて感じることがたくさんありました。文化の違いもあるかとは思いますがホテルなどでも当たり前のように使い捨て紙コップを使っているところがたくさんあります。
実は私の旅館でも紙コップは多用していますが、皆様自由に気軽にお使いいただいています。昔はアメニティの一つひとつにも高級志向が見受けられました。今は安価でも使いやすい、目を引くものもたくさんあります。多方面にアンテナを張って、よりよいものを見つけられるよう、従業員もオーナーも意識することが大切ではないかと思いました。
また、反対に海外ならではの粗雑なところも見受けられ、食材の無駄を多く感じました。日本料理は特に、食材の無駄を省くため、下処理後に余った素材を別メニューに取り入れることが多くあります。もちろんこれには、細やかな職人ならではのアイデアや技術が必要です。確実に取り入れているところもあれば、時間や人手が回らない場合、加工が施された業務用食品を活用することも一つの手です。食材原価も人件費も様々な工夫をすることで飲食店、旅館ホテルをマネージメントすることができるわけですが、これは海外だけでなく、日本もまだまだ努力していくことができるはずですね…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2019年7月10日号)
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