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国内旅行シフト 地方には絶好のチャンス

日本政府が2022年秋に新型コロナ水際対策を大幅に緩和し、インバウンド個人旅行の受け入れを再開してから先月で一年が経ちました。

訪日外国人旅行者数は先月までの5カ月間連続で月間200万人以上を記録しています。10月は前年同月比で約5倍の251万6500人となり、2019年同月と比較しても0・8%増です。単月の訪日外国人旅行者数としてはコロナ禍前の水準を初めて超えました。中国本土からの旅行者の戻りが遅いとは言え、韓国や台湾などの14カ国は10月として過去最高を記録し、カナダ、メキシコ、ドイツは単月ベースで過去最高となっています。

また、訪日外国人旅行者の消費額も1―9月までの合計で約3・6兆円となり、年5兆円の政府目標達成も視野に入ってきています。一人あたり旅行消費額単価は政府の目標である20万円を超え、21万円を達成しました。円安・物価上昇の影響だけでなく、平均泊数が伸びるなどの動きからもインバウンド市場の回復は確実な動きになったと言えるでしょう。

コロナ禍の約3年間はインバウンド市場が蒸発したと言われていましたが、2012年から2022年の10年間の旅行収支を確認すると、2012年のマイナス1兆69億円から2022年には1兆4303億円の黒字にまで転換しています。観光立国化を推し進めてきた日本政府としては、訪日外国人旅行者数の増加以上に誇れる数字であると思います。

ただし、旅行収支の黒字化の背景には日本人が海外旅行に行かなくなっていることが大きな要因の一つになっています。実際、10月の海外へ渡航する日本人客数は、2019年同月比で43・6%減、1―10月の累計でも54・3%減と、回復の気配がまったくありません…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2023年11月25日号)

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