手数料がバス事故招く?
先日、あるテレビ番組で「軽井沢ツアーバス事故から3年が経ったが、今も人命に関わるようなバス事故は年間300件以上起こっている。国が規制強化を行い、安全管理を誓ったバス業界や旅行業界の実態はどうなっているのか」をテーマにした特集が行われていた。
特集の中では、水面上では法令を守っていると見せかけながら水面下で不正を続けるバス会社を紹介。安全管理がずさんになる背景にはバス会社の経営悪化があるが、その悪化の原因が旅行会社の手数料だと結論づけていた。安全確保に必要な「下限運賃」とは別の名目の手数料をバス会社が旅行会社に支払うことで下限運賃を下回り、経営を圧迫。安全管理がずさんになってバス事故につながっているというのだ。
「旅行会社の手数料が悪」という結論ありきの報道で、手が込んでいるのは旅行業界団体幹部のインタビューで「手数料は当然いただくもの。旅行業界としては、手数料は通常の営業の経費のやりとり」との発言を流していることだ。あとで調べてみると、この発言はマスコミがよく行う、前後の言葉をカットし都合のいい発言だけを伝える「切り取り」という手法だとわかった。
旅行会社=手数料=悪、という図式に対して旅行業界はもっと声をあげるべきではないか。
(トラベルニュースat 19年2月10日号)
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