多様性への寛容―ツーリズムEXPOジャパン(2) 旅による交流で平和への道筋を
プラス面だけでなくマイナス面にも目を
基調講演に続いて行われたのが、主催国の日本に加えオーストラリア、カンボジア、エジプト、南アフリカ、タイ、フィリピン、ミャンマーなど13カ国からの観光大臣級による意見交換。
1時間半程度という限られた時間で、全員からコメントを引き出すという難しい作業は、TEDを見ているようなアニータの魅力的な司会進行により、形式的で退屈なものではなく、観光に身を置くものを励ます、聞き応え十分なものになった。
国際観光客が増加の一途をたどる中、ツーリズムによるマイナスのインパクトを減らすことが課題とされた。
「国際観光の成長に酔っていられない。課題もある。ベニスは観光客の集中で人口が減っているし、バルセロナでは観光がテロの標的になった。ただ、ツーリズムは善意につながり平和につながる。文化や宗教の違いではなく類似点を探そう」
「ツーリズムで相互理解や寛容が学べる。ツーリズムが繁栄するところには寛容がある」
ツーリズムは人を励まし、生活を改善できる。
「人数ではなく、経済へのインパクトを重視し、貧困と闘いたい」
「ツーリズムにはハートと情熱のある人、特に若者が大事。ターゲットを数字ではなく、人のためにどれだけ役に立っているかに変えるべき。そしてツーリズムはお金ではなく、プライドだと、若者と話を始める時」
ツーリズムには権利と役割がある。
「人には、どこかへ行く権利、旅をする権利がある。世界80億人が国境を越えて旅にでられるよう、私たちのジャーニーも始まっている」
「多様性をおもしろ、おかしく伝えるのがツーリズムの役割。アイデンティティや文化を尊重できることが、ツーリズムの成功であり、人々のライフスタイルを傷つけるものではないことを分かってもらおう」
(トラベルニュースat 17年10月10日号)
(次の記事)多様性への寛容―ツーリズムEXPOジャパン(3) ツーリズムアワード表彰
(前の記事)多様性への寛容―ツーリズムEXPOジャパン(1) 観光大臣級会合を初開催
- 観光業界の屋台骨支える 全旅連青年部、2期目の塚島体制スタート(2) 観光庁、厚労省、親会からエール(25/04/28)
- 観光業界の屋台骨支える 全旅連青年部、2期目の塚島体制スタート(1) 新役員で後半戦に臨む(25/04/28)
- 能登復興の応援誓う(2) 産品の購入や旅行商品化を検討(25/04/15)
- 能登復興の応援誓う(1) ANTA近畿6支部有志が視察(25/04/15)
- 和倉温泉の復興プラン 推進協が創造的まちづくり(2) 復興ガイドツアーを実施(25/03/26)
- 和倉温泉の復興プラン 推進協が創造的まちづくり(1) 里山里海“めぐるちから”―持続的な都市デザイン構想(25/03/26)
- 万博カウントダウン(3) 大屋根リングが完成(25/03/11)