ビッグデータを生かす 日観協「観光経営研究会」から(2) 宿泊増や利便向上など地域の戦略に有効
イベント“復活”にも
同社のコーポレート統括本部ビジネスプランニング部おでかけ研究所マネージャの酒井幸輝さんは、旅行者の動きを「見える化」することで、性別や年齢層別にターゲットごとの観光マーケティングが可能になると指摘。3年ほどの取り組みのなかで、群馬県や岐阜県、高知県などが同社に県内の旅行動態調査を依頼しており、岐阜県では分析結果をウェブサイトでも公開している。
![コロプラ・酒井さん](https://www.travelnews.co.jp/img/171108topnews1.jpg)
コロプラ・酒井さん
250メートル四方のメッシュで位置情報を把握できるため、実際の地図と照らし合わせることで、滞留した観光施設を推定することや、地域外の宿泊地へ向かう退出ポイントが分かる。退出ポイントを知ることで、域内宿泊につなげる施策を構築するきっかけになる。
また、域内にある人気の観光スポットであっても、訪問者の分析で域内宿泊者が少ないことが分かれば、宿泊滞在につながるような観光周遊メニューの提案が可能になる。
人数だけでなく、どんなプロフィールの旅行者がどこを訪れているかを知ることで、旅行者の嗜好別に複数の観光スポットをつないだプランやアクセスの周知により、利便性の向上や来訪者の拡大にも期待が持てる。
同様の分析によって、地域の事情などから中止を検討していた人気イベントが、地域への初訪問の強い動機になっていることや、イベント参加者が域内を周遊していることが明らかになったことで、イベントを継続することになった事例なども紹介されていた。
(トラベルニュースat 17年10月25日号)
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