各県の助成金の活用を
観光客を誘致しようと、県や市町村で旅行会社に対する助成金制度を設けているところは少なくない。
エリア内の宿泊や立ち寄り施設などを利用した場合に一定の金額を支払い、旅行会社からの送客を促すというものだが、意外と旅行会社はその制度を知らない。各県市町村からすると観光客数が増えて、旅行会社も通常より利益が出て、両者にとって損はない制度のはずだ。にもかかわらず旅行会社は自身の顧客から助成制度を知らされ、助成金を顧客の旅行費用に使わせろ、と言われてしまうケースがあるほど、助成金制度は知られていない。
一部の県では「当県では魅力ある観光素材が豊富にある。助成金などを出さなくても旅行会社は客を送ってくる」と強気なところもある。考え方は様々なので否定はしないが、旅行会社に地域を知ってもらう、送客の対象として認識を深めてもらうためにも助成金制度を活用したい。
ある県では貸切バスの運賃・料金制度が改正した際、遠方からのバス代が高額になるため助成制度を充実させ、実走距離が長い観光エリアには金額を加算するなどきめの細かい戦略的な助成で実績を出している。制度を業界に告知し、旅行会社が利用しやすくなるために、本紙でも機会あるごとに助成制度を掲載している。ぜひ活用してもらいたい。
(トラベルニュースat 17年9月10日号)
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