今だからできること 観光業界“菌休対策”(2) 対策万全の花見ツアー
「旅行会社が何もしないというのはどうか」 京都の旅行会社2社
例年だと国内外から観光客が押し寄せる京都。この春はいつもと異なる様相だが「やっぱり見たい京都の桜」と冠して、京都のウイニングトラベルサービス(常田学社長)とチェルカトラベル(井上雪子社長)が、可能な限り新型コロナウイルス対策を施したバスツアーを企画した。
ツアーは、バス車内を1人掛けにし除菌と換気を徹底、昼食時も斜交いに座り参加者同士の距離を一定に保つ。手指アルコール除菌をひんぱんに行い、全員マスク着用が必須。当日は、発熱は無論、風邪の症状がある人は参加できない。
常田社長は「ツアーで立ち寄る昼食施設は、お客さんの減少は見ておられない状況です。バス会社も同じです。旅行会社はもっと厳しい状況ですが、我々が行動を起こして『新型コロナウイルス対策をしながら楽しむバスツアー』の取り組みが全国に広がっていけば」と話す。
井上社長も「せっかく京都で美しい桜が咲くシーズンを迎えるのに、旅行会社が何もしないというのはどうかと思って、バスツアーを企画しました」と語っている。
ツアーは、春の花街散歩と紅しだれ桜(1万4800円)と大原花見散歩と三千草弁当(9800円)の2つ。いずれも3月25・27・28・29日が実施日で、すでに催行が決まった日もある。
厳しい環境下だからこそ1人でも多くの人に元気を与え、笑顔になってもらう−それが今旅行業がやらなくてはいけないことではないか、と話す常田、井上両社長。京都から全国へ春の新風を吹かせてほしい。
(トラベルニュースat 20年3月25日号)
(次の記事)今だからできること 観光業界“菌休対策”(3) 「十石舟」は特別態勢で運航
(前の記事)今だからできること 観光業界“菌休対策”(1) 予祝新聞と手づくりマスク
- “脱皮”へ雌伏の年 紙面から選ぶ2024年観光番付(3) 新旧入り混じり旅の創造(24/12/10)
- “脱皮”へ雌伏の年 紙面から選ぶ2024年観光番付(2) 日本固有の文化を世界発信(24/12/10)
- “脱皮”へ雌伏の年 紙面から選ぶ2024年観光番付(1) 正月早々に観光業界“激震”(24/12/10)
- 地方創生に向けた人材育成 日本交通公社、旅行動向シンポジウム開催(2) DMOに求められるのは経営人材(24/11/27)
- 地方創生に向けた人材育成 日本交通公社、旅行動向シンポジウム開催(1) 観光地経営の財源確保(24/11/27)
- 万博へ着々 パビリオン内覧始まる(24/11/15)
- 地産地消へ本気な目標 滋賀県旅館組合が“KPI”(2) 県挙げての食のもてなし実現(24/10/25)