国内旅行復活へ強い決意 ANTA・第16回国内観光活性化フォーラム
一般社団法人全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は5月31日、山梨県甲府市のYCC県民文化ホールで「第16回国内観光活性化フォーラムinやまなし」を開いた。コロナ禍で2度の延期から3年ぶりの開催となったフォーラムには、全国のANTA会員約850人が集まり、国内観光の復活や地域観光の活性化に向けての取り組みに強い決意を持って臨むことを確認した。
23年1月末まで山梨県に10万人送客
フォーラムは、ANTA山梨県支部長で地元実行委員会の菅沼稔委員長の開会宣言でスタート。「2度の開催延期を経て本日を迎えることができたのは、山梨県や各自治体の関係者のご苦労があったからこそ。感謝申しあげたい」と謝辞を述べた。
二階ANTA会長は「会員自らが元気を出して立ち上がる気持ちを持つことが必要」と述べ、「いかなる危機に直面しても全国5400社のANTA会員が長年の経験と英知を結集すれば大きな力となり、この難局を乗り越えて観光産業が復活を果たすと信じています。一丸となって総力を挙げて奮起しよう」と呼びかけた。
来賓として出席した観光庁の村田茂樹次長は、和田浩一長官のあいさつを代読。「感染防止対策と経済回復のためには、観光需要の喚起が必要で、そのためにも新たなGo Toトラベルは必要な時期にきた段階で準備したい」との方針を示した。
山梨県の長崎幸太郎知事は「観光産業の高付加価値化を加速させ、なかでも旅の大きな目的である『食』を重要分野と位置づけ、『美食王国やまなし』の実現に向けて取り組みを進めています。この高付加価値をキーワードにコロナ禍からの反転攻勢を図りたい」。甲府市の樋口雄一市長は「3年ぶりに信玄公祭りを開きますが最大規模で実施しますので、多くの人に参画していただきたい」と話した。
基調講演は観光庁の髙橋泰史参事官が今後の観光政策を説明。記念講演は、長崎知事が世界遺産の富士山や3つの日本遺産など自然・文化環境に恵まれた山梨県の魅力を紹介し、甲州牛、キングサーモンとニジマスを掛け合わせたオリジナル品種「富士の介」など食の魅力を訴えた。
ANTAの駒井輝男副会長が6月1日−2023年1月末の10カ月間で、全国から山梨県へ10万人を送客することを提案、採決された。
次回のフォーラムは23年3月17日に山形市で開かれることが発表され、山形県支部の支部会員らが登壇。佐藤順仁支部長は「来年は山形に来てけろなー」とアピールした。
会場には、大会スローガンの「行こうよ山梨フルーツ王国ワイン県」、地元スローガンの「よっちゃばれ甲斐の国へ、いざ出陣」と掲げた通り、地方自治体や観光関係者による40ブースが設けられ、山梨県の歴史や文化、食などを来場者にPRしていた。
(トラベルニュースat 2022年6月25日号)
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