第2の創業期に―全旅、50周年迎え新機軸 中間幹夫社長に聞く
株式会社全旅が今年創立50周年を迎えた。中間幹夫社長は、震災など50年間で見舞われた数多の危機を乗り越えてきた先人に対し敬服の念と感謝の思いを示すとともに、次の50年、100年に向けて「第2の創業期」として小さくない一歩を踏み出す決意を述べた。それはコロナ禍の中、2022年度の総取扱高が570億円と好業績だった一方で「レシピのない時代」への挑戦にほかならないと話している。
地域活性やインバウンドを事業化
中間社長がコロナ禍を経て創立50年を迎えた今一番取り組みたいと考えているのは「地域活性化事業」。全国のANTA会員、全旅クーポン会員は地域コミュニティや地域内の融合のために旅行を介在させて大きな役割を果たしてきたと見る。「対人関係をつくりながらやってきた我々の仕事はAIに代わるものではありません。我々は自信を持っていい」。その存在感を最大化できるのがソリューションビジネスであり地域活性化事業だとし「自治体の皆さんも我々をもっと活用してほしい」と話す。
全旅では、着地型旅行の地旅と地産品のウェブマルシェGOORBYを昨年10月に開設。MICE運営管理サービスの全旅マルッとペイを含めて、会員が地域活性化事業に取り組む際の出口戦略の一つとしてシステム化を充実させている。「スタッフの欧州研修も計画しています。高付加価値の先進地を体感し、それを全国の皆さんにフィードバックしたい」と、地域活性化事業に伴う人材育成も図る考え。さらに、派遣先とは相互交流などを通じた独自性のあるインバウンド事業化も視野に入れる。
![中間幹夫社長](https://www.travelnews.co.jp/img/230625topnews1.jpg)
中間幹夫社長
一方で、航空会社の燃油サーチャージ、宿泊施設の料金高騰には警鐘を鳴らす。「コロナ削減分は5年、10年かけて取り戻す考えでないと」。市場が縮小しブーメランとして返ってくることを懸念。団体、海外旅行の本格復活のフックは大阪・関西万博と予測する。
中間社長は「会員の皆さんが事業領域を広げていくためのヒント、協力は惜しみません。何でも努力します。それが弊社の理念ですから」と未来を見据えている。
(トラベルニュースat 2023年6月25日号)
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